バンダイ1/60イングラム-1:キットの素性の良さに惚れ直す

はい。正式にスタートします。
自分の勝手なペースでやってますので、X上での某旧キット競作企画には便乗できないんですけど。

前回記事で書いたお手つき旧1/60イングラム、素組みでも徹底改修でもない中途半端な現況ゆえに悩んでストップしかけましたが、「ほどほどに手を入れて作る」ということに決めました。

昨年後半のスランプを経て持ち直しかけたところ年末に体調を崩したことに端を発してまたモチベが下がり、自称モデラーとして何を作りたいのかも完全に見失ってしまったのですが、初心に返る、ということでXX年越しの「宿題」に向き合うことにしました。いつか技術を身につけたらちゃんと作るんだ!と思い続けてはやXX年。
バンダイの旧1/60イングラムに関しては既に数多の先輩諸兄が素晴らしい改造例を世に送り出していますから、何かしら新しいモノを生み出せるワケではない(と思うので日頃から他ジャンルも含めて単なるキット制作にはあんまり興味がない)のですが、こればっかりは自分との向き合いでもあるので。

肝心の頭部まわりから。
20250118_B_Ingram1_1.jpg
左がキットそのまま、右が現況のお手つき版です。
言うまでもなくこの旧1/60イングラムは数ある立体物の中でもかなり出来が良く、思い入れ補正も含めてこの1号機ヘッドの造形はとても好きです。が、とはいえ特に顎周りは当時の原型・金型技術の限界もあってかちょっとヨレや面の乱れは否定できません。
特にバイザーと接するマスクの上辺ラインは左右でラインが揃っていませんしセンターはバリのような盛り上がりがあって、ここを少し均してあげるだけでぐっときれいになるはずです。トサカの下端ラインも左右で若干ズレてしまっていますね。
左の素組みサンプルは赤バンダイ最終再販時のアルフォンススペシャル、右のお手つき版は前回書いた通りかなり古めのロットのものです。こうして並べると生産時期によるブレは特に見て取れず、もともとの型からしてそうなっているのが分かります。

そんな中、お手つき版はご覧の通りバイザーの後ハメを諦めて合わせ目消しをしようとしたため、接着後にパテがテキトーに盛られています。
盛ったパテも含めこのフェイス周りの造形を整えるにはバイザーはマスキングして保護することになりますが、作業効率の観点から言っても現実的ではありません。どうしたものかと思いつつ、このバイザー周りは後ハメのテクが確かあったはず。
頭部内側のリブを削り込んでやればバイザーだけ後で組み込める、みたいな話を昔よく見た気がします。ということで、バラせる素組み版の方でためしてみましたがどうにも上手くいきません。結構ググったんですがそれらしい知見を発見できず。
20250118_B_Ingram1_2.jpg
結局、お手つき版を画像のとおり接着したまま顎周りをカットすることにしました。これも定番工作として有名、ですよね確か。
後ハメ時に位置決めがしやすいように、見えなくなるところは不要部分をわざと少し残しています。

んで、軽く整形してみたのがこちら。
20250118_B_Ingram1_3.jpg
まだ途中ではありますが、ざっくり削っただけでこれです。上述の顎周りのラインを整えたのと、ちょっと幅がありすぎる印象のトサカ部を前端に向かって若干シャープ化しただけ、なんですけど。
良くない!?良すぎじゃない!?なんでこんなに「イングラム」なんだろう、っていう。個人的な好みでいうともうほんの少し面長にしたいところですが、第1段階でコレは優秀すぎます。

ていうのに大満足したからこそ、お手つき版を「ほどほどに手を入れて」完成までもっていってみようという決断に至ったワケです。


頭部以外にもう一つネックだったのが足。
20250118_B_Ingram1_4.jpg
左端がお手つきママ状態。見づらいですが、中途半端に合わせ目消しをしたあとで爪先のダクトっぽいモールドを下手なりに彫り込もうとしてガタガタになっています。
ここは貼り合わせる前に切り抜いておくのが遥かに整形しやすくラクなんですけど、接着しちゃってるしな…と思ったのですが、接合部にナイフを入れてエイヤとやったらほぼダメージなくパッカーンと分離できました。案ずるよりなんとやらで、晴れて再工作。
で、画像右はそこに至る以前に分解しようとしたら足首関節がへし折れてまたかってなったやつ。ご覧の通り既に一度折れてプラ棒に置き換えてるんですが今度は別のトコから逝きました。これは単純に接着してやればいいので問題ありませんが、キットのプラ自体がどこまで劣化してるか分からないのでちょっと怖いですね。ここの関節はキット時点でかなり強引な組立を要求する箇所なので、特に取扱注意です。

そして爪先ダクトを彫り込んだら、奥ががらんどうなので目隠しにプラ板を張っておき、再度接着すればOK。
20250118_B_Ingram1_5.jpg
さらに、前回破壊した太股外装は、これも定番工作である「パーツの分割ラインを設定上のパネルラインに変更して合わせ目消し不要にするやつ」を施行しています。が、ここについてはまた要らん蘊蓄も含めて改めて。


そんなこんなで、ひとまず改めての全身像。
20250118_B_Ingram1_6.jpg
細部にちょびっと手を入れただけで全体のプロポーションは何も変わってないんですが、頭部がよりイングラムになっただけで格段に印象が良くなりました。そもそもが良キットですから当然ですけどね。

そりゃ、言い出せば切りがないですよ。
一体成形になってしまっているアンクルガード周りが鬼門なのは言うまでもなく、コストも要因であろう腰周りのアレンジなんかも気にならなくはないですし、言われてみれば確かにフンドシは短い…、などなど。ただそれらの固有のバランスを踏まえて全体としての調和レベルが極めて高い、と個人的には思っているので、大好きなんですよねぇバンダイ版1/60イングラム。

と、これまでも隙あらば偉そうに思い入れを語ってきたクセに「マトモに」は作ったことが一度もなかったキットを作りながら、しつこく勝手な蘊蓄を語るシリーズです。初回から長いんだよ。

ではまた次回。

この記事へのコメント

  • yan

    いや良いですなあ期待して正座待機でいいですかね?
    ただ前から言っている通りで顔、ベースなら劇版キットの方が好み。
    ここお互いの顔好みがモロに出ますね(笑)
    今も瓦礫のマウンテンサイクルの中に埋もれてるからいつか探したい。
    2025年01月19日 10:12
  • nuke

    >yanさま
    そんな大それたコトはしませんので、ご期待もほどほどに…(^^;

    1/60「劇場版」の純粋なキットパーツ状態ってほとんど見たことない気がするので、発掘したらご紹介ください。
    しかし毎度ながら顔の好みは分かれますな(笑)。
    2025年01月19日 11:39