キットの難関ポイントのひとつ、腰周りから下っ腹ゾーンにいよいよ着手します。
まずは、しばしば短すぎると言われて延長工作が定番のフンドシ部分の検証からですが、斜めパースのメイン設定と比べると確かに短いは短い。なんですけど、新設定の正面図と見比べると、そこまででもないよな…という気がします。
なんでかって?
斜めパースと正面図とで設定の辻褄が合ってないからですよ(笑)。
とはいえ短く見えるのは確かなのですが、わたし閃きました。この下半身、旧OVA設定に近いとはいえ旧設定とも違う点もあります。股間のウィンチ部分、ここを削ればいいんですよ。

はい。
なんと言うことでしょう。寸詰まりに見えたフンドシ部が、幅増し延長もしていないのに長くなったではありません……か!? 悪くないアレンジと思いながら、胴体とのバランスもあるのでここだけ弄ってても見えてこないのでいったん保留。
ついでにウィンチのワイヤー巻き取り部をカット。

いやもうこんなサイズですから、弄ったところで分かんないんですけども。
何を考えたかというとこうです。

このウィンチ部、円筒形であるべきところがフンドシ部と上面では繋がってしまっているのに下半分はちゃんとソレっぽくなってるんです。で、画像の緑部分がワイヤーっぽいディティールが掘られている箇所。だったら、切り離してちょっと切って角度変えて図の下のように再接着したらいいんじゃないの、というワケ。
とりあえず抜けてるべきところが抜けるだけでもディティールアップにはなるはずです。
そして。

なんか位置もサイズも中途半端なナンバープレートのディティールも削り飛ばします。ついでに後ろもやってやりましたが、後ろはなんか穴開いたんだが…。そして尻にもウィンチのワイヤっぽい造形があるんだけど、ここは設定ではフックの受けになってるので間違いですな…。
ともあれ、このままもうちょっと整えれば、さらに「長さ」が強調されるハズ。
んで。恒例の?蘊蓄タイムですけれども。
新OVA版で充電ソケットのカバーのパネルラインであることが判明するフンドシ部に入ってるディティール、キットでは前面で完結してしまっていますが、斜めパースのメイン設定のように本来は側面に回り込んでいるのが「正解」です。
金型の抜き方向的に側面にスジ彫りを入れることが不可能なのでこうなっているのでしょう。パネルライン的な物が少ないイングラムのディティールにおいてここのラインは結構目立つので、可能な範囲で再現しようという苦心の跡…かどうか真実は分かりませんが、そう受け止めてまたこのキットの出来を褒めておきましょう。
一方で、新設定の正面図を確認するとまた新たな事実が見えてきます。
正面図なのに、側面にあるはずのこの折れて上へ繋がるラインがしっかり描かれてるんですよ。側面のラインが正面からも見えるということは、側面が正面に対して直角ではない、つまりこのフンドシ部は前方に向かってすこし窄まっている、としか解釈できません。長年見てきましたけど、それは気付いてなかった。
とはいえそんな風に描かれてることに気付いた画稿はありませんし、数多の立体物でもここを「そう」表現しているものは見たことがありません。
…と思ったら。

やまと1/24。ちゃんとそうなってるんですよ…。やるな…。スジ彫りではなく段落ちになってるのが惜しいですが、これも恐らく成形の都合でしょう。
ちなみにバンダイMGはこう。

やまと同様に段落ちで誤魔化していますが、先細り形状は再現されていません。残念。
などと言いつつ、先述の通りここが先細りになってるっていうイメージは全くありませんので、別に再現しません。て、散々語っておいてそれか。
蘊蓄タイム終わり。
本題に戻りまして、胴体側に移ります。
成形上の都合がある中で腰周りの可動を確保するためにこうなっているんだろうと思われるキットの腰部、結果として設定とは異なるのは皆さんご承知の通りです。故に腹部のボリュームがちょっと足りないので、ここをパテ盛りして形状変更するのが定番工作ですが、今回はキットパーツの造形をなるべく生かしたいのでパテ盛りは可能な限りやらない方針。ということで…こうだ!

あぁっ!お客様っ!
別パーツになっている胸部の黒部分で上端が隠れるのをいいことに、腹部をバッサリとカット。
で、こうです。

実測値でほんの1.5mmほどですが、下にズラして再接着。腰の軸を受けるダボが内側にあるのでその位置変更もガッツリやってますが、思ったよりうまくいきました。
仮組みしてバランスを見ます。

腹部の下端から脇へ繋がるラインが分断されてしまったのできれいに見えてないしそこの整形にまた苦労しそうですけど、削ったとこを整えたフンドシ部とのバランス確認とりあえず。悪くないんじゃない?
画像の通り、設定と形状が異なっていたウィンチ周りは後ろにプラ板を貼り足して形状を変更しています。結果、ウィンチ部分の位置自体は変わっていないのにフンドシ部のサイズがぐっと適正化されたように…見えませんかね?
下っ腹のラインを整えてやれば、大きなバランス調整は一段落しそうです。
どこが「ほどほどに」だ!!!!(笑)
ではまた次回。
この記事へのコメント
yan
胴体はペリ形状が一番気になるんですよね個人的には。
nuke
ほほうペリ形状ですか。
整える必要はあると思ってましたがそこまで気にして折らずでした。果たしてその心は…。